Purrrfect代表理事の芳村かれんです。
私が猫を飼い始めたのは約30年前、アメリカ留学中でした。 新しい環境に慣れない中、勉強の厳しさやコミュニケーションの難しさにストレスを感じていたある日、ふと「猫を飼いたい」という思いが湧いてきたのでした。
当時のアメリカのペットショップでは、犬猫の生体販売はされていませんでした。インターネットもそれほど普及しておらず、スマホもない時代。私は地元の新聞や情報誌を駆使したり、アメリカ人の友人の知恵を借りたりしながら、シカゴ郊外に『Petaadoption(アニマルシェルター)』を見つけて訪れました。
そこは大きな一軒家。数頭の保護犬や保護猫たちが、 優しいおばあさんと一緒に暮らしていました。 おばあさんに「子猫を引き取りたい」と伝えると、おばあさんは2階へ案内してくれました。
部屋へ入ると、そこにはまだよちよち歩きの愛らしいモッフモフの長毛の子猫と、美しい短毛のブルータビーの母猫、体格の良いモッフモフのノルウェージャンフォレストの父猫が、陽だまりの中でくつろいでいました。
私が子猫を指差して「この子が欲しい」と伝えると、 おばあさんは「この子はまだ授乳中だから、ママも一緒に引き取ってくれるならO.K..」と言ったのです。私は一瞬、「うわっ!いっぺんに2匹は予想外だな」と戸惑いましたが、小さな命との出会いは特別なご縁と運命だと感じ、2つの命を引き受ける決断をしました。
それから、大学の寮での2匹の猫たちとの“秘密の生活”が始まります。
(つづく)