ネコ科の動物は他の動物に比べて腎臓病の頻度が突出して高く、多くのネコが腎臓病で亡くなることはよく知られています。その原因は長く不明で、人間の腎臓病と同じく確実な治療法もありませんでした。しかし近年、猫の腎臓病治療に希望をもたらすタンパク質AIMが注目されています。
一般社団法人AIM医学研究所の代表理事・所長である宮崎徹先生は、猫の腎臓病の主な原因は、猫は先天的に腎臓のゴミを掃除する働きがあるAIMが機能しないことにあると突き止め、2016年に論文を発表しました。つまり、腎臓にゴミが蓄積し、それが炎症を引き起こすために腎臓病になってしまうのです。
AIMが働いていないから腎臓病になるのですから、AIMを補えば腎臓病は防げるはずです。そうした考えから、宮崎徹先生は猫用AIM薬の開発を開始しました。サプリメントとしてAIMを定期的に与え、腎臓のゴミを掃除しておけば、そもそも腎臓病の発症は抑えられるでしょうし、進んでしまった腎臓
病でも、AIMの投与により進行を抑え、長期的には腎機能の回復の可能性もあると考えられます。
私たち愛猫家にとって、猫用AIM薬の一日も早い完成が待ち望まれますね。
宮崎徹先生の著書 「猫が30歳まで生きる日」時事通信社のご購入はこちらからお願いいたします。
猫が30歳まで生きる日 - 時事通信出版局